柔道の絞め技で失神する時間は何分何秒?タイマゾワが落ちた理由も!

東京オリンピックの柔道女子70キロ級で新井千鶴さんと対戦したタイマゾワ選手が絞め技で失神するということが起こりました。

柔道の試合自体も、今までにない長時間の16分41秒行われています。その決着方法が送り襟絞めということで話題となりました。

今回、新井千鶴さんの対戦相手となったタイマゾワ選手がなぜ失神してしまったのか?そもそも絞め技で失神するのにはどのくらいの時間がかかるのか?について調べて書いています。

目次

柔道の絞め技の種類

柔道で使われる主な絞め技を2種類ご紹介します。

三角絞(さんかくじめ)

相手の首の周りに相手の腕を巻きつけるようにして、それを両足で締め付ける技です。総合格闘技などでも使われるバリエーションの多い絞め技です。

送襟絞(おくりえりじめ)

柔道でよく使われる絞め技の一つです。基本的な技であり、相手の襟を利用して首に巻きつけるようにして絞めるやり方です。

東京オリンピックで新井千鶴さんが、準決勝で戦った相手(タイマゾワ選手)に行った絞め技がまさにこの送り襟絞めです。完璧な送り襟絞めを行ったため相手のタイマゾワ選手は落ちてしまいました。

中学生以下では使用禁止

東京オリンピックなど公式の試合では、絞め技は正式に認められた柔道の技です。中学生以下の場合は、成長段階にある関節や脊椎などへの影響も考えて、事故につながる可能性があるということで禁止されています。

失神する時間は何分何秒?

柔道の絞め技で失神する時間について研究してある論文があります。その驚くべき論文の中には、きちっとした実験がしてあり、柔道の絞め技の場合と血圧計のマンシェットを使った場合の失神する時間について比較して研究発表されています。失神するのには何分もかかるのかと思っていましたが・・・。

なぜ失神するのか?

絞め技をされるとなぜ失神するのか?それもあんな短時間で失神するのはどうしてなんでしょう?絞め技を研究してある論文の中では、絞め技をされて窒息して落ちるということではなく、頸部を圧迫されることにより生じる反射が主な理由であるとされています。専門的に言うと頸動脈洞反射ということになります。

頸動脈洞反射が発動されると、脈拍数が少なくなり血圧が低下します。そのため脳への血流量が少なくなり酸欠状態となって失神するというのが頸動脈洞性の失神と呼ばれます。

失神する時間

柔道の絞め技を利用した頸動脈洞性の失神の場合、実験では平均10.3秒であり、早い人の場合は8秒で落ちています。血圧計のマンシェットを利用した頸部の締め方の場合、平均で19.25秒かかっています。

追加情報ですが、落ちてから今度を覚醒するまでの時間ですが、柔道の絞め技を使って落ちた場合の覚醒時間は平均9.5秒となっています。ただし血圧計マンシェットによる絞め技で落ちた場合の覚醒時間は平均14.4秒であったとされています。

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マディナ・タイマゾワ選手が落ちた(失神)理由

失神を防げなかった理由

タイマゾワ選手が失神を防げなかった理由ですが、大きく分けると二つあると考えられます。

その一つは、新井選手との長時間にわたる試合でかなり疲労していたということと、オリンピックの試合ということもあり酸欠状態で血圧が高い状態であったということも考えられます。このような状態で締め技をかけられると、頸動脈洞反射による失神が引き起こされやすいと言われています。

もうひとつの理由は、絞め技をかけられてから頸動脈洞反射による失神が引き起こされるまでの時間が10秒足らずであるということです。この短時間の間に参ったをしないと、すぐに落ちてしまうということになりかねません。

参った(タップ)をするつもりがなかった?

そもそもタイマゾワ選手は、参ったをするつもりがなかったのかもしれません。

これは想像ですが、新井選手に敗れた後に準決勝でも5分22秒という長期戦を制して銅メダルを獲得しておられます!

超人的な頑張りをする選手であり、タイマゾワ選手は初戦からの合計試合時間は、なんと40分以上にも及んでいました。なんとしてでも勝とうと言う気迫を持った選手であり、「絶対あきらめない」という強い意志がそうさせたのかもしれません!!

参考文献:鈴木克也:柔道の「絞め」技の脳波を主とした医学的研究(第25回日本整形外科学会総会での発表内容から)

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