東京オリンピックでのジョージア出身の柔道選手の活躍がすごいですね。阿部一二三選手と決勝戦を戦った選手も実はジョージアの選手でした。実際ジョージア出身の選手は66 kg 級で銀メダル、73 kg 級でも銀メダルを獲得しています。2021年7月27日現在でジョージアが獲得しているメダルの数は銀メダルが二つでその二つともが柔道で獲得したメダルです。
何でジョージアの選手がこんなにも柔道が強いのか?そんなにジョージアで柔道が盛んなんでしょうか?
ジョージアがどうして柔道が強いのか、その謎の答えについて書いています〜。
東京オリンピックでのジョージア選手の活躍!
バザ・マルクベラシュビリ
男子柔道66キロ級の阿部一二三(ひふみ)は25日、東京五輪の決勝でバジャ・マルグベラシビリ(ジョージア)を技あり(大外刈り)で下し、金メダルを獲得した。日本武道館で撮影(2021年 ロイター/Sergio Perez) pic.twitter.com/jlIDNDwkgQ
— ロイター (@ReutersJapan) July 25, 2021
GEOという背番号をつけている選手がジョージアのバジャ・マルグベラシビリ選手です。この時金メダルを獲得した選手はもちろん阿部一二三選手です!
ラシャ・シャフダトゥアシビリ
ジョージア🇬🇪のラシャ・シャフダトゥアシビリ(Lasha Shavdatuashvili)選手が柔道で銀メダルを獲得しました🥈おめでとうございます👏✨ https://t.co/kRXooMHaXP
— 中央アジア・コーカサスとゆかいな仲間たち (@CentralAsiaplsJ) July 27, 2021
東京オリンピックの柔道男子73キロ級で準優勝銀メダルを獲得したのがジョージアのラシャ・シャフダトゥアシビリ選手です。もちろんこの試合で優勝して金メダルを獲得したのは大野将平選手です。
東京五輪は26日、男子柔道73キロ級で大野将平(写真)が技ありでラシャ・シャフダトゥアシビリ(写真下)を下し、金メダルを獲得した。日本武道館で撮影(2021年 ロイター/Annegret Hilse) pic.twitter.com/ykIg8PQVYm
— ロイター (@ReutersJapan) July 26, 2021
大野将平選手は金メダルを獲得した瞬間がこちらです。
今までのジョージア選手の活躍
2019年に実施された世界ジュニア柔道選手権大会では男女の14階級の中で金メダルを複数獲得した国は日本とジョージアだけでした。また243カ国が出場した2019年の世界柔道選手権東京大会では国別メダル獲得数が5位であったということです。
ジョージア(グルジア)が柔道の強い理由
なぜ柔道王国日本に迫る活躍をジョージアの選手が見せるのか?その理由がようやくわかりました。
ジョージアについて
ちなみに、ジョージアがどこにあるのかわからない人もいると思いますので(私のことです^^;)、地図を載せておきます!
はっきり言ってこの地図を出されてもピンとこないかも^^;
首都は、トビリシと言います。Google の地図上ではティビリシ表記されてあります。東ヨーロッパに位置し、北側にはロシア南側にはトルコ、アゼルバイジャンやアルメニアと隣接しています。2015年4月までは日本でグルジアという名前で呼ばれていました。交通の要所でもあることから、紛争がたびたび起こった地域でもあります。
ジョージアが柔道の強い理由
ジョージアに古くから伝わる民族格闘技チダオバが根付いていることが柔道の強い秘密であることがわかりました!
これだけ聞いても分かったようで分からないような感じになってしまいますが…。民族格闘技チダオバについて、もう少し説明すると・・!
いくら民族格闘技があるからと言ってそんなに強くなるとは思わないんですが、実はそこに理由がありました。地理的な状況から、紛争が度々起こる地域にあったため、民族格闘技を身につけるということは自らの身を守ることにも繋がったからです。
民族格闘技のチダオバは、古くから子供たちの体力づくりにも取り入れられていました。ジョージア国内ではチダオバは、単なるスポーツというだけではなく、プロとしても生計を立てられるスポーツとして国からも認定されるようになっています。
このように柔道と融合した民族格闘技のチダオバがオリンピックにおいても威力を発揮するというのは理解できるのではないでしょうか。
民族格闘技チダオバとの共通点
チダオバは足払いを特徴としている民族格闘技ですが、ジョージア州ではいろんな民族が集まってきているため、民族格闘技の種類もいくつも存在していました。足技以外でも柔道の投げ技にそっくりな技もあります。
チダオバの試合は、腰より下をつかむことは禁じられていますが、それ以外では何でもありに近い格闘技です。この民族格闘技の勝敗はどのように決まるかと言うと、簡単に言うと相手を投げて背中から地面に落とすことで決まります。これはまさしく柔道の一本と同じようなルールと言えます。
ちょっと特殊な技としては、帯をつかんで投げる投げ技があります。しかし柔道にも同じような技があり「帯取返」と言われます。他にも柔道での大内刈りや小内刈に相当するサルマという技や、支釣込足に相当するツェルリという技などもあります。
参考文献:ジョージアの民族格闘技、チダオバとは?:歴史・文化的背景から検討する 体育学研究 65:915-928,2020