IOC 国際オリンピック委員会は8月8日に五輪功労章として菅首相と小池都知事に授与することを決めたと発表されました。五輪功労章と聞いてちょっと疑問に思ったのが、功労章の「章」についてです。
功労章の章は、「賞」ではないので、なんとなく違和感を覚えました。そこで、「賞」と「章」の違いについて調べてみましたので参考にしてみてください。もちろん「功労章」と「功労賞」との違いについても書いています。
章と賞の違い
章と賞は、どちらも「しょう」と読むことに変わりはありません。しかし、その意味においては微妙に異なりますのでやはりその使われ方についてはしっかりと理解する必要があると思いました。
「章」の意味
文章という単語にも使われているように、一つの大きなまとまりのある文章のところを「章」と言います。他の意味では、どういうところに使われているかと言うと、印章(いんしょう)すなわち「はんこ」の意味でも使われます。さらに、今回取り上げた意味に近いものとしては、勲章や褒章という言葉にこの章という字が使われます。
イメージ的には「賞」よりも、栄誉を重んじる時に使われるような印象があります。
「賞」の意味
賞という言葉は、よく使われる言葉ですので理解しやすいと思います。何かの価値を褒めたりする時にはこの「賞」という字が使われますし、何かの功績をたたえて褒める時にもこの賞が使われます。身近なものとしては「賞与」というものがあります。いわゆる、仕事をしっかりしたその功績を称えて褒美として与えられるものが賞与という考え方です。
こちらはイメージ通りで、何か褒め称えられるものがあった時にその代償として与えられる褒美というイメージがあります。
功労章と功労賞の違い
功労章(こうろうしょう)
功労ある個人を顕彰するために官公庁等が定める表彰記章の一つ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%9F%E5%8A%B4%E7%AB%A0
ここで使われている「顕彰(けんしょう)」という言葉は、個人の功績などを広く世間に知らせることを言います。ですので栄誉ある場合にこの「章」が使われるんだと思います。
功労賞(こうろうしょう)
功労章と同じような意味で使われることもありますが、本来は、功労に対する褒美(賞)を与えられることを意味するものが「功労賞」と表現されます。
五輪功労章(オリンピックオーダー)
五輪功労章とは?
国際オリンピック委員会が74年に制定した制度です。特にオリンピックに功労があった人に送られる章がオリンピック功労章です。オリンピック功労章には、金・銀・銅の序列があります。
今回の東京オリンピックで決まった五輪功労章の対象者は、橋本聖子会長と菅首相と小池知事でした。3人にはオリンピック功労賞の最高位である金章が授与されることが決まっています。
通常、オリンピック功労章の金章は組織委員長に送られるのが通例です。
首相と都知事に決まった理由
通常ではありえない菅首相と小池都知事に対するオリンピック功労章の授与が決まった理由は、やはりコロナ禍でのオリンピック開催についての功労に対して、敬意を表するために選定されたと言われています。