卓球ラケットのドーピングとまで言われる不正ラバーの正体とは何なんでしょう?東京オリンピックでは男女混合の卓球ダブルスですでに水谷隼選手と伊藤美誠選手が金メダルを獲得しています。
もちろん日本選手は不正ラバーを使っていません。以前、水谷隼選手が、外国人選手の使っているラケットの不正ラバーについてカミングアウトしたことが話題となりました。
やはりスポーツである限り、正々堂々とスポーツマンシップに則った公正な試合を望んだ結果、このようなカミングアウトに踏み切られたんだと思います。水谷隼選手は一時は国際大会などへの出場を辞退する選手生命を賭けたアウトプットをされています。
しかし、よくよく考えると、なぜこの不正ラバーは問題になってるのか?みんな同じように使えば不正ではなくなるんではないか?という疑問も湧いてきます。
卓球の不正ラバーの正体(種類)
卓球のラバーの色
1983年の世界選手権大会までは、表と裏のラバーの色に関しては特に規定はありませんでした。そのためそのルールを有効に使って両面とも同じ色で試合に出た無名の選手が優勝するということが起こってしまいました。
その無名の選手はラケットのラバーの色を両面とも黒(各々反発力が異なる黒色のラバー)で統一したため、その選手がどちらの面で打ったのかを相手選手が判定できないためボールの回転が予測できず、この両面とも黒で統一したラケットを使った選手が圧倒的に有利となってしまいました。
このようなことがあったため、ラバーの色が黒と赤というふうに統一されるようになりました。ただし東京オリンピック2020ではこの規定が一部変更され、片面は黒でもう片面は赤でなくても黒色以外であれば何でも OK という風になりました。結局両面とも同じ色にすることは禁止されていますが…。
両面とも同じ黒色にするというのは違反になりますが、このようなラケットのラバーはすぐ見ただけで判断がつきますので、実際にこのような不正ラケットが許可されるということはありません。
補助剤・接着剤の使用
ITTF(国際卓球連盟)の規定では、「ラケット本体を覆うラバーというのは摩擦特性、外見、色、構造、表面との競技性能に物理的、化学的にその他の処理による変化修正をしてはならない」とあります。
既定ではこのようになってるんですが、実際にそういう処理をしたラケットを見分ける方法ですが、揮発性化合物を使っている物質を検知する機械で行われています。
しかし、逆に、その機械で検知できない場合は、そのラケットが不正ラケットではないということになってしまいます。もう少しくだけて言うと、物質が検知されないような補助剤や接着剤を使えば問題ないと言うことにもなりかねません。
外国人選手の多くがこのことを把握しており、実際に補助剤や接着剤を使って試合に出るというのが当たり前のようにになっているとのこと・・・。
接着剤、補助剤について
ラバーの接着剤としては普通にニッタクでも販売されていますが、今回問題となっている補助剤などについてはAmazon などでも、一応販売されています。もし購入して使用される場合は、十分にその内容を理解してから購入される必要があると思います。ちなみにこんな感じで販売されています。
補助剤を使うメリット
補助剤を使うメリット・理由は、ズバリ勝ちたいからです!
補助剤をラケット表面に使うことで、卓球のスピードが向上してラリーをすればするほどその違いが現れてくると言われています。自分の力以上の性能が補助剤を使ったラケットでは発揮できるため、禁断の領域に手をつける選手が後を絶たないようです。
では、なぜ補助剤を使ってはいけないんでしょう?
補助剤や接着剤が禁止される理由
補助剤を使うと圧倒的に打球の威力が上がりますので、全員使うようにすればいいと思うんですが、そうしないわけがありました。
まずはその溶剤が揮発性のものであるということや、補助剤を塗る際に触ってしまったりすることで健康上の問題が生じる可能性が指摘されています。このようなリスクが懸念されるため、補助剤の使用が禁止されています。
ただし、何回も言いますが、補助剤を使っていても、検査をくぐり抜けてしまう場合が多くありますので、そこが問題となっています。
今回、東京オリンピックで金メダルを取った水谷選手と伊藤美誠選手は、あえてこのような補助剤などを使わないノーマルのラケットで金メダルを獲得しています!
あえてノーマルラケットで獲得した金メダルには、国際的に見ても補助剤に対する考え方が一変する素晴らしい機会になったんではないでしょうか。