【長ネギの栽培ガイド】収穫時期!全段階の手順とコツ

長ネギの収穫時期や育て方について調べてみました。日本の食卓に欠かせない薬味として、またその特有の風味で料理を引き立てる長ネギ。その栽培は意外と奥が深く、種類によって育て方も異なります。この記事では、根深ネギから葉ネギまで、長ネギの栽培の全工程とそのコツを詳しく解説していきます。家庭菜園の初心者へ役立つ栽培ガイドを、是非参考にしてみてください。

目次

長ネギの育て方

以下は、長ネギの栽培に関する情報を表にまとめたものです。

項目詳細
科・属ユリ科ネギ属
栽培の難しさ高い
種まき時期3月〜4月(理想的な成長温度:20℃)
植える時期7月〜8月
収穫時期12月〜3月
栽培場所日光がよく当たり、排水性の良い土地
水やり基本的に不要
肥料播種後、1か月ごとに肥料を追加
ネギの種類根深ネギ(栽培期間が長く、栽培が難しい)
葉ネギ(緑の部分が多く、短期間で育てやすい)
栽培推奨葉ネギから始めることを推奨、根深ネギは苗植え推奨

この表は、長ネギの栽培に関する主要な情報を簡潔にまとめており、異なるネギの種類や栽培のポイントが一目でわかります。

ネギの基本情報

ネギは中国が原産で、ユリ科に属する野菜です。特徴的な辛さと香りで、日本の料理には欠かせません。

ネギは「根深ネギ」と「葉ネギ」に大別されます。

根深ネギは白い部分が特徴で、栽培期間が長く栽培が難しいとされています。対照的に、葉ネギは緑の部分が多く、短期間で育てやすいと評価されています。

家庭での菜園初心者やプランターでの栽培を考えている人は、葉ネギの栽培から始めることを推奨します。根深ネギを栽培する際は、種をまくよりも苗を植える方が手軽です。

長ネギとは?

関東地方で一般的な「根深ねぎ」は、「長ネギ」や「白ネギ」とも呼ばれ、特にその白い葉鞘部分が食用にされます。加賀系や千住系などの系統から成るこのネギは、土を盛り上げながら軟白栽培を行い、その結果、長く白い部分が特徴的です。また、葉ネギに比べて根元からの分蘖が少ない品種です。仙台や栃木で行われる「曲がりねぎ」栽培法では、成長途中で一度土を盛り直し、ネギを横向きに植え替えることで自然と曲がりを生じさせる方法が用いられています。

長ネギの種類について

以下は、地域別ネギの特徴を表にまとめたものです。

長ネギの種類地域特徴
深谷ねぎ埼玉県深谷市鍋物や煮物に適している
妻沼ねぎ埼玉県熊谷市地域特有の品種
下仁田ネギ群馬県下仁田町太くて短い、生では辛く、加熱すると甘みが出る
上州ネギ群馬県下仁田ネギと長ネギの交配種、白い葉鞘部が長く、煮込むと甘くなる
越谷ねぎ埼玉県越谷市煮崩れせず、辛味と甘みがバランス良く、高級食材とされる
西谷ねぎ神奈川県横浜市分けつする根深ねぎで、株分けを経て1年半かけて栽培
赤ねぎ複数地域赤紫の皮が特徴で、加熱すると甘みが増す
赤ヒゲネギ茨城県水戸地方葉・葉鞘が柔らかく、甘みがあり、明治時代に改良された
平田赤ネギ山形県庄内地方太く、ずんぐりした形で、苦味が少ない
ひたちべにっこ茨城県葉鞘が赤紫に発色し、軟らかく、加熱すると甘みが増す
大和太ネギ奈良県(旧大和国)葉先が柔らかく、アリシン豊富で、煮込み料理に適する
仙台曲がりねぎ宮城県仙台市「余目一本太」とも呼ばれ、柔らかくて甘い
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葉ネギについて

一般的に「青ネギ」とも称される九条系ネギは、関西地方で特に人気があります。このネギは緑の部分が多く、葉が柔らかいのが特徴です。根深ネギとは異なり、根付近の茎から分蘖しやすく、土寄せせずに長く柔らかい葉も食用としています。

葉ネギの種類について

以下は、地域特産の葉ネギの特徴を表にまとめたものです。

葉ネギの種類地域特徴
難波葱大阪
九条葱京都夏は「九条細ネギ」(浅黄種)、冬は「九条太ネギ」(黒種)として収穫。和え物、鍋物、薬味に使用
岩津ねぎ兵庫県
結崎ネブカ奈良県大和野菜の一つ
観音ネギ広島県
谷田部ネギ未特定白い部分が多い
地ネギ神奈川県小田原市別名「真ネギ」
ヤグラネギ未特定地に落ちた子ネギを栽培
小ねぎ(万能ネギ)未特定九条細ねぎの改良品種。生でも調理しても使用可能。薬味や汁物の具として使用
みさきネギ未特定九条ネギ系で細く分蘖する。薬味に適している
姫ネギ未特定水耕栽培で約9cmの長さ。汁物の具や料理の装飾に使用

この表は、各地域で栽培されているネギの特性や用途を概説しています。地域によって特有のネギの品種が存在し、その特徴や利用法が異なることがわかります。

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長ネギの栽培方法

ここでは、一般的な根深ネギの育て方を解説します。

栽培環境

長ネギは日当たりが良く、水はけの良い場所でよく成長します。高温環境(30℃以上)でも適度に育ち、寒冷にも比較的強いです。

土壌の準備

ネギは弱酸性から中性の土を好むものの、土質は特に選びません。植え付けの2週間前に、1平方メートルあたり苦土石灰100gを混入し、土をよく耕します。さらに、植え付けの1週間前には堆肥3kgと化成肥料150gを平方メートルあたり加え、再び土を耕してください。

畝を幅70〜80cm、高さ15cmで作り、その表面を平らにします。そして、棒で畝の表面に1cm深さの溝を15〜20cm間隔で作ります。

種まき

種まきの適期は3月中旬から4月下旬です。種を5mm間隔で直線状にまき、薄く土をかぶせた後、手で押さえて土と種の接触を確実にします。種をまいた後は、しっかりと水を与えます。

水やり

ネギは過湿を嫌うため、水の与えすぎに注意が必要です。畑では自然降水だけで十分なことが多いですが、種まき後の発芽期には土の乾燥を防ぐため適宜水を与えます。夏場は土の乾燥が激しいときに、朝夕に水やりを行い、冬期はほとんど水やりは不要です。

間引きと栽培管理

初期段階で草丈が7cmに達したら、1.5cmの間隔で間引きを行い、さらに成長して10cmになったら、3cm間隔まで間引く必要があります。

肥料の追加

ネギの種をまいてから1ヶ月後を始点として、1~2ヶ月ごとに追肥を施します。一度に20~30g/平方メートルの化成肥料を植物の側にまき、軽く土に混ぜて株元に寄せます。

苗の定植

苗が30cmほどに育ったら、7月から8月にかけて定植します。15cmの深さと幅で溝を掘り、その隣に掘り出した土を積み上げます。苗は溝の端に5cm間隔で植え、根が隠れるくらいに土をかぶせ、上からはわらを敷きます。溝の隣に積んだ土で苗を支える形にします。

土寄せ作業

土寄せは植え付けから1ヶ月後の8月から9月、その後9月から10月、さらに11月と、合計3回実施します。最初の土寄せでは、苗が盛られた側の反対側から土をわらの上にかけ、葉と茎が分かれる部分まで覆います。この際、化成肥料20g/平方メートルを混入し、追肥します。2回目と3回目の土寄せは同様に行い、白い部分が形成されるよう土を均一に寄せます。

収穫方法

ネギの収穫期は12月から翌年の3月です。株の横に溝を掘り、根を手で引き抜くようにして収穫します。

根深ネギが成熟し、軟白部が十分に長くなったら、畑の端から鍬やスコップを使用して必要な量だけ土を掘り起こして収穫します。
葉ネギは植え付けから約50cmの高さに育った際に収穫が可能です。ただし、全株を抜くのではなく、地上部だけを切り取ることで、その後も新しい芽が育つため継続的な収穫が望めます。

〈ポイント〉 根深ネギを霜にさらすと風味が増します! 根深ネギを収穫する際には軟白部を傷つけないよう注意が必要です。家庭菜園では、必要な時に都度収穫することができます。葉ネギは植え付けから50~60日を目安に収穫が可能で、随時、必要に応じて間引きながら収穫できます。

ネギのコンテナ栽培方法

ネギをプランターで育てる場合、深さ20cm、幅80cm以上の容器を選びます。

プランターのサイズによって植える株数を調整します。例えば、幅30~40cmの小型プランターでは3〜4株が適切です。より大きなプランターを使用する場合は、それに応じて株数を増やすことが可能です。

長ネギの育成に関するよくある質問

長ネギの種をまいてから発芽するまでの期間は?

ネギの種は、播種後7日から10日で発芽することが一般的です。

長ネギによく見られる病気には何がありますか?

ネギに影響を与える代表的な病気に「さび病」があります。これはネギの葉に黒や灰色、黄色の斑点が現れる病気で、放置すると他の株にも広がる可能性があるため注意が必要です。この病気は5月から6月、または10月から12月にかけて発生しやすいです。病気の予防としては、薬剤を散布して早めに対処することが推奨されます。

長ネギは一度植えたらずっとその場で栽培できるのでしょうか?

ネギは多年草で、根が生きていれば何年も同じ場所で育てることができます。ただし、長期間同じ土地で栽培を続けると、連作障害が発生し、株が弱る可能性があります。

長ネギが花を咲かせた場合の対処法

長ネギを長く放置すると、茎の先に球形の花をつけることがあります。この現象を「とう立ち」と言い、花は「ネギ坊主」とも呼ばれます。

ネギ坊主は収穫して食用にすることができます。また、放置しておくと花から黒い種が形成されます。これらの種を乾燥させ、取り出した後には次の種まき用として利用可能です。

長ネギの栽培要点

長ネギの栽培には、適切な土壌準備から種まき、水やり、間引き、そして定植に至るまでのさまざまなステップが含まれます。適時の土寄せや追肥が重要であり、適切な管理によって健康な長ネギが育ちます。栽培する際は、特定の病気に注意しながら、根深ネギの場合は霜にさらしてその風味を高めるなど、細かな点にも気を配ることが収穫のカギとなります。手間を惜しまずに栽培に挑戦して、新鮮で香り高い自家製の長ネギを食卓に加える喜びを味わってください。

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