2023年は、卯年(うさぎ年)ですが、卯年(うさぎ年)にちなんだことわざ(諺)や格言について調べてみました。新年の挨拶や卯年(うさぎ年)にふさわしいスピーチに活用するためのヒントになれば幸いです。
卯年(うさぎ年)のことわざ(諺)
後の兎に尻尾が無い(あとのうさぎにしっぽがない)
うさぎのしっぽは短くてあまりよくわからない感じですが、うさぎの耳は大きくてしっかりしています。そのことから、一応聞くことは聞くが、最後にはどうなるかわからないことを例えたことわざです。簡単に言うと、約束しても全くあてにならないことをうさぎのしっぽに例えて表現したことわざです。
後は兎も成れ山桜(あとはともなれやまざくら)
「後は野となれ山となれ」という言葉をもじった言葉(類語)です。ちなみに後は野となれ山となれという言葉は、目先のことが解決してしまえば後はどうなってもいいというような意味です。同じような言い方に、「旅の恥は弁慶状」、「旅の恥はかき捨て」、「先は野となれ山となれ」などがあります。どれも同じような意味合いの言葉です。
兎追いが狐に化かされたよう(うさぎおいがきつねにばかされたよう)
うさぎを追いかけている猟師が狐に化かされてしまって、訳が分からなくなって茫然自失となってしまうことをいいます。
兎死すれば狐これを悲しむ(うさぎしすればきつねこれをかなしむ)
同類のことを悲しむことを意味しています。「狐死兎泣」とも書きます。
元々は同じ山に住んでいたウサギとキツネですが、狐が人に捕まえられたことをうさぎが悲しんだことからきていると言われています。
兎波を走る(うさぎなみをはしる)
仏教の悟りで、まだ最初の浅い段階に止まっている人を例えた言葉です。元々うさぎというのは水の深いところに入る機会が少ない動物であるため、このように言われています。
兎に祭文(うさぎにさいもん)
「祭文」というのは、神祭りのときに言われるありがたい詞です。うさぎにこのようなありがたい「祭文」を言ったとしても、何の意味もない無駄なことであることを表現したことわざです。同じような意味のことわざには、「馬耳東風」、「馬の耳に念仏」、「豆腐に鎹」などがあります。
兎の子の生まれっぱなし(うさぎのこのうまれっぱなし)
うさぎは子供が生まれても、自分の子供の世話を全くしないということから、自分のしたことに対して責任を負わない、いい加減で無責任なことを例えたことわざです。
兎の逆立ち(うさぎのさかだち)
弱みを突かれて困っていることを意味する言葉です。うさぎが逆立ちをすると、その長い耳が地面に当たってしまい痛いということからこのように言われています。(ただ実際には、うさぎが逆立ちすることは可能であり、動画などでもあげられています。その際、耳は、とくに地面に当たったりすることはありません。)
逆立ちうさぎ pic.twitter.com/Ll3PhBFOBw
— うさぎのあめ☔️ (@amenochiusagi) December 5, 2021
兎の登り坂(うさぎののぼりざか)
うさぎの後ろ足は長くて坂を登ることが得意です(逆に坂を下ることは苦手とされています)。ということからうさぎにとっての上り坂というのは、まさに好条件で、物事が順調に進みやすいような環境であることを例えたことわざです。
兎の糞(うさぎのふん)
うさぎの糞を見たことがある人なら分かると思いますが、コロコロと丸い感じのふんです。ということで、ウサギの糞のように切れ切れで長続きしないことを例えたことわざです。同じようなことわざに「三日坊主」があります。
兎の股引(うさぎのももひき)
ウサギの足の形状を考えると分かると思いますが、うさぎがももひきを履こうとしても、最初のちょっとだけしか履くことができないため、結局、最後まで履くことができません。そのため、「うさぎの股引」は、最初だけで長続きしないことを例えた言葉です。
兎兵法(うさぎへいほう)
因幡の白兎の話をご存知でしょうか?この話の中に出てくるうさぎですが、うさぎがワニガメを騙して、ワニザメの背中をどんどん渡っていって最後までわたる寸前でその企みがばれてしまいます。うさぎは毛皮を剥がれて痛めつけられてしまいますが、そのことから転じてうさぎが、いい加減な策略を考えても結局は失敗してしまうことを意味します。「生兵法」という言葉がありますがこ、れと同義語です。
兎耳(うさぎみみ)
こちらもうさぎの耳を例えてある言い方です。うさぎといえば耳が特徴と言うぐらい長い耳ですが、あまり知られていないような情報や噂などをよく聞きだしてくる事をウサギの耳に例えて行っています。一般的には「地獄耳」と同じような意味になります。
兎も三年なぶりゃあ食いつく(うさぎもさんねんなぶりゃあくいつく)
おとなしいイメージのうさぎですが、長い間なぶられると噛み付くということから、大人しい人でも長い間なじられたりすると怒り出すと言う趣旨の言葉です。「堪忍袋の緒が切れる」と同義語です。同じような言葉として「兎も七日なぶれば噛み付く(うさぎもなぬかなぶればかみつく)」、「なぶれば兎も食いつく(なぶればうさぎもくいつく)」という言葉もあります
兎を得て蹄を忘る(うさぎをえてわなをわする)
ウサギを捕まえるためのワナは、うさぎを捕まえてしまえば必要がなくなりますが、用いた手段などは、本当はとても大事なことです。ということで、目標を達成してしまうと忘れがちになる役立った手段などを忘れないようにすることを戒めた言葉です。同じような言葉に「得魚忘筌(とくぎょぼうせん)」があります。
烏兎匆匆(うとそうそう)
烏兎(うと)は、中国の古い言葉の中にある「金烏(きんう)」と「玉兎(ぎょくう)」すなわちカラスとうさぎを意味します。カラスは太陽の中にいて、兎は月の中にいると言われていることから、太陽と月を意味することから、年月や歳月のことを意味します。そして、匆匆(そうそう)は、「あわただしいさま」、「忙しいさま」を意味する言葉です。ということでこれらの言葉を組み合わせて得られる意味として、月日の経つのが早いことを意味する言葉です。
兎毛(うのけ)
元々はウサギの毛を使った筆の事です。なんですが、些細なことを例える言葉としても使われます。遣われ方としては、「うの毛ほども・・・」というような言い方がほとんどです。
「兎毛で突いた程(うのけでついたほど)」という言葉もありますが、こちらも、ほんとに些細なことを意味する言葉です。
鳶目兎耳(えんもくとじ)
鳶(とび)の目+兎耳(うさぎの耳)ですので、なんとなくわかると思いますが、要するに情報収集能力が高い人や、そのような事柄を意味する言葉です。「飛耳長目(ひじちょうもく)」と同じ意味です。
株を守りて兎を待つ(かぶをまもりてうさぎをまつ)
中国の韓非子の話からきています。どういう話かと言うと、たまたま木の切り株にうさぎが走ってきてぶつかって、そのウサギを手に入れることができた農夫が、自分の農具を捨てて、同じようにうさぎが切り株にぶつかるのを待っていましたが、その後うさぎが切り株にぶつかることはなく、国中の笑い者になりました。このように、たまたまうまくいったことを安易に繰り返しても、うまくいかないことを戒める言葉です。
寒の兎か白鷺か(かんのうさぎかしらさぎか)
冬に雪が降っている中で見られる真っ白いうさぎ、白鷺(しらさぎ)から、真っ白いものを例える言い方です。
金烏玉兎(きんうぎょくと)
烏兎(うと)は、中国の古い言葉の中にある「金烏(きんう)」と「玉兎(ぎょくう)」すなわちカラスとうさぎを意味します。カラスは太陽の中にいて、兎は月の中にいると言われていることから、太陽と月を意味することから、年月や歳月のことを意味します。
烏兎匆匆(うとそうそう)の説明も参考になります。
狡兎死して走狗烹らる(こうとししてそうくにらる)
中国の韓非子の話にあります。狡兎(こうと)というのは、狡猾でずる賢いうさぎのことを意味します。走狗(そうく)とは、猟犬のことです。どういう意味かと言うと、狡猾でずる賢いうさぎが亡くなれば、猟犬は不要となってしまします。そこで、それまで重用していた猟犬(走狗)を煮て食べてしまわれたとのことです。このことからもわかると思いますが、功績があったものでも、目標を達成してしまった後では邪魔になって排斥されることを意味します。
獅子は兎を狩るにも全力を尽くす(ししはうさぎをかるにもぜんりょくをつくす)
獅子搏兎(ししはくと)とも同じ意味です。獅子は、ライオンのことですが、ライオンがウサギを捕まえる際には全力を尽くすことから、どんな簡単なことでも全力を尽くすことを意味する言葉です。
占子の兎(しめこのうさぎ)
占子の兎(しめこのうさぎ)というと、何となくイメージ的には悪くないような感じですが、実際は、ウサギ食べる際などに行う:うさぎをしめることを意味します。ということで、「しめた」という言葉と、ウサギを「しめた」ということをかけた言葉です。もう少し砕けて言うと、物事がうまく言った時に言うシャレの言葉です。
大象兎径に遊ばず(だいぞうとけいにあそばず)
大象(おおきなぞう)は、兎径(うさぎが通る道)を通らないことから、器の大きい大人物は、つまらない人物を相手にはしないということを意味する言葉です。
脱兎の勢い(だっとのいきおい)
逃げるうさぎをイメージするとわかると思いますが、めちゃくちゃ迅速なことを意味する言葉です。
脱兎の如し(だっとのごとし)
これも、脱兎の勢い(だっとのいきおい)と同じようにめちゃくちゃ迅速なことを意味する言葉です。
二兎を追う者は一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず)
ヨーロッパで使われていることわざ(If you run after two hares, you will catch neither.)が語源です。有名なことわざなので、誰もが耳にしたことがあると思います。同時に二つのことを行おうとすると結局、二つとも行うことができないことのたとえです。
始めは処女の如く後は脱兎の如し(はじめはしょじょのごとくのちはだっとのごとし)
孫氏の兵法にあります。初めは弱々しくおとなしくしていて敵を油断させますが、その後ではものすごく俊敏に動いて敵に防御する隙を与えないと言う兵法を例えた言葉です。ちょっとインパクトのある言い方ですが…。もし、スピーチなどで遣われる際には、配慮が必要な言い方だと思います。