土壌酸度計の活用法!目的や利点、使用時の注意事項解説!

土壌のpHは、畑で野菜を育てている方であれば、気になりますね。特に、自分の畑のpHの状態が、どんな状態にあるのかは知りたいところです。土壌(畑)のpHの度合いによっては、野菜が元気に育たない場合もあります。アルカリ性の土壌を好む野菜や、酸性の土壌を好む野菜もあります。
家庭菜園初心者の方(←私のことです)であれば、やっぱり、土壌(畑)のpHを土壌酸度計でしっかり管理して、野菜を元気よく育てたいものですね。

目次

土壌酸度計の活用法

土壌が酸性になる理由とメカニズム

畑の土壌が酸性になる理由については複数考えられます。
まず1つ目に考えられているものは雨水の影響です。雨水の pH はだいたい5.7の弱酸性を呈していると言われています。そのため雨がたくさん降ると土壌が酸性となっていきます。

第2の原因としては、畑の植物が成長過程で有機酸を含む様々な物質を分泌するため、その物質が土の中で分解される途中で酸性になるということです。

第3の原因としては枯れ葉とか畑の植物などの残骸が微生物などによって分解されることで有機酸が発生してpH が酸性に傾きます。

第4の原因としては化学肥料、特に窒素分を多く含む化学肥料では、土壌が酸性に傾く原因となります。

第5の原因としては、畑(土壌)に入り込む灌漑水の影響です。この灌漑水が酸性のものであれば、当然、畑の土壌も酸性に傾きます。

これら5つの原因によって、そのままにしておくと、普通は畑の土壌は自然と酸性に傾きます!

土壌pH値を最適化する目的や利点

野菜の生育に適した土壌pHは、一般的には弱酸性から中性、すなわちpH5.5から7.0の範囲が理想とされていますが、野菜の種類によっては、アルカリ性を好む野菜もあります。

ちなみに、育てやすいと言われている玉ねぎは、アルカリ性を好みますが、ジャガイモについては、酸性土壌を好むと言われています。牡蠣殻石灰(有機石灰)は、土づくりによく使われると思いますが、土壌のpHのことを考えると育てる作物によっては、プラスになったりマイナスになったりすることもあるので注意が必要ですね。

土壌pH値を最適化する目的は、まず一つ目は適切な土壌pHの範囲であれば育てている作物が必要としている栄養素を吸収しやすくなります。育てている野菜が好むpHについては、下記にその例を示しています。
簡単に言うと、その野菜が好むpHにすると、元気よく生育しますが、逆に好まないpHにすると、生育不良や病害虫に弱くなるということです。

二つ目は、土壌微生物に対する影響です。土壌微生物の活動にとって適した土壌pHは一般的には中性に近い範囲、すなわちpH 5.5から7.5の間とされています。このpH範囲は、最も多様な土壌微生物が活動できる条件といえます。ですので、畑の土壌がpH 5.5よりも酸性に傾いたり、7.5よりもアルカリ性に傾くと土壌微生物の活動にマイナスになるので注意が必要です。

三つ目は、土壌pHが適切な値(pH 6.0から7.5の間)であれば、有害金属が土壌に溶け出すことを防ぐことができると言う点です。ちなみに土壌が酸性(特にpH 5.0以下)になると、アルミニウムの溶出が増加すると言われています。適切なpHになるように管理することで、有害物質が作物の根から吸収されることを防ぐことが可能となります。

弱酸性が好ましい野菜の例

ジャガイモ: pH 5.0~6.0
ブルーベリー(果物ですが): pH 4.5~5.5
サツマイモ: pH 5.6~6.5

弱酸性から中性に適した野菜の例

トマト: pH 6.0~6.8
キュウリ: pH 5.5~7.0
ナス: pH 5.5~6.5
ニンジン: pH 5.5~7.0
レタス: pH 6.0~7.0

中性が好ましい野菜の例

ホウレンソウ: pH 6.5~7.0
タマネギ: pH 6.0~7.0
アスパラガス: pH 6.5~7.5

土壌酸度計の使用目的

土壌pH値を最適化する目的や利点の項目でも書きましたが、土壌pH値をコントロールすることが、作物を元気に安全に育てることができます。そのためには、土壌pHを測定するための土壌酸度計が必要になるということです。

土壌酸度計の種類(アナログ式〜デジタル式)

アナログ式土壌酸度計

面白いことに、アナログ式土壌酸度計では電源やバッテリーが必要ありません。どういう原理かというと、土壌に含まれる水素イオンを使って、土壌酸度計に使用される亜鉛や特殊金属から起電させる原理を利用しているからです。

乾いた土壌では測定できないので、測定する際には土壌に灌水してから測定する必要があります。

測定時間ですが、竹村電機製作所 土壌酸度計 DM-13であれば、土中に挿入してから30秒程度して指針が安定すれば数値が読み取れます。正確に測定するためには、数回、この作業を繰り返して、その平均値を求めるようにマニュアルにも書いてあります。
ちなみに、竹村電機製作所 土壌酸度計 DM-13のマニュアルには、作物の生育に適応する土壌pHの参考地の一覧が付属していますので、とっても便利です。

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デジタル式土壌酸度計

液晶ディスプレイ(LCD)を使用してpH値を数字で表示するため、電池などの電源が必要です。土壌の酸度だけではなく、温度や水分量、塩分濃度なども同時に測定することができます。多機能なのはデジタル式の良い点ですね。
価格についても、比較的リーズナブルな土壌酸度計も販売されています。
測定する際には、アナログ式のものと同様に土壌に水が含まれている必要がありますので、測定する際には土壌に水をまいて(泥団子が作れる程度)測定します。測定時間についてですが、下記のシンワ測定(Shinwa Sokutei) デジタル土壌酸度計 A-2 大文字 72730では、30秒程度計測して安定した数値を読み取るようになっています。正確にするためには、数回測定してから平均することが推奨されています。

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酸度測定液での土壌酸度測

これは、意外と便利かもしれません。
住友化学園芸 酸度(pH)測定 アースチェック液などの酸度測定液が入手可能ですが、使用方法としては、コップなどに調べたい土(畑の表層から10センチ程度)を入れてから土の2倍の量の水道水を加えてかき混ぜ、その上澄を試験管に入れてから試薬を加えます。その後、よく振って色の変化によって判定します。
おおよそ45回分測定できるだけの液が入っています。
価格は、1000円もしないです。測定するのに手間と時間ががかかりますが、正しく行えば測定値は意外と正確です。
主な植物の適性土壌酸度一覧表もついていますので便利です。
ちなみに、測定範囲はpH4.0~8.5です。

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土壌酸度計の使用時の注意事項

アナログ式の場合(竹村電機製作所 土壌酸度計 DM-13)

乾燥した土壌では測定できないため、土壌に十分に水分を含ませてから測定することが必要です。
肥料分が多く残っていると低い数値となったり、石灰量が適正以上あっても実際よりも酸性度が強い値に出ることがあります。ですので、肥料などを加える前に測定することが推奨されています。
石灰を撒いた直後には、土壌に石灰が馴染んでいないため、できれば10〜20日後に測定することが推奨されています。
また、土壌の水分が多すぎても酸性に傾きますので、土をほぐしてから測定する必要があります。
ちなみに、竹村電機製作所 土壌酸度計 DM-13は防水機能はありませんので、水洗いしたり、水につけたりしないようにしましょう。

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デジタル式土壌酸度計の場合(シンワ測定デジタル土壌酸度計 A-2 大文字 72730)

電源が必要です^^;(新しい電池を入れて測定しましょう。)
その他は、アナログ式の土壌酸度計の注意事項と同じです。シンワ測定デジタル土壌酸度計 A-2 大文字 72730も防水機能はありませんので、水洗いはできません。
また、計測部が酸化した場合は、使用前にサンドペーパー(#400~1000)などで軽く磨いてから使用することが推奨されています。

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