果物には追熟(ついじゅく)する果物(バナナや桃、メロン、マンゴー、キウイなど)と追熟しない果物(スイカ、いちご、ぶどう、さくらんぼなど)があります。追熟する果物と追熟しない果物にはどんなものがあるのか、また、どんな仕組みで追熟したり、しなかったりになっているのか?エチレンガスとの関係などについても、できるだけ分かりやすく調べてみました。
追熟とは一体何か?
私たちが日常で楽しむ多様な果物は、その見た目の鮮やかさと高い栄養価で知られ、私たちの食生活に彩りを加えている。これらの果物は、追熟するタイプと追熟しないタイプの二つに大別される。
追熟とは、フルーツが収穫された後にさらに成熟を進めることを指します。フルーツが完全に成熟してから収穫されると、販売時にはすでに食べ頃を過ぎてしまうことが多く、損傷のリスクも高まります。そのため、多くの場合、完熟直前に収穫され、販売されるまでの間に追熟される方法が採られます。
追熟のメカニズム・エチレンガスとの関係
追熟プロセスは、エチレンガスという自然に存在するガスの作用により行われます。エチレンガスは老化を加速させる性質を持ち、これによりフルーツは収穫後も成熟が進み、風味や食感、外見に良い影響を与えます。
追熟の利点
追熟を行うことで、フルーツはより甘く、柔らかくなります。これにより、販売時に最適な食べ頃で提供することが可能となり、フルーツの市場での魅力が高まります。追熟は収穫から販売に至るフルーツの流通過程においても重要な役割を果たしています。
追熟という用語について
一方で、追熟を行わない果物も存在し、これらは追熟する果物と異なる特性を持っている。
追熟可能な(追熟する)果物について
クライマクテリック型果物について
番外編8月28日
— まったけ (@QE3PNkX7IEZPrBh) August 28, 2023
お取り寄せ🍑
遠く青森県弘前市の津軽農園さんから
「桃の王様🍑川中島白桃」
が届きました🤗
説明書通り追熟させます→楽しみだ‼️ pic.twitter.com/mXHkjBAZHC
これらの果物は収穫後、15~20℃の室温で直射日光を避け、風通しの良い場所に保管することで追熟プロセスが始まります。追熟過程で外見に変化が現れることがあり、例えばバナナでは黒い斑点が表皮に見られることがある。これらは「シュガースポット」として知られています。
さらに、果物の触感にも変化が生じることがあります。桃やメロンの場合、触ると側面や底部が柔らかくなるのが感じられるでしょう。
しかし、保管する際の温度には注意が必要です。バナナ、マンゴー、アボカドなどの果物を10℃以下で保管すると、低温障害により表皮の陥没や変色、水分の漏れなどが生じることがあります。特に南国産の果物はこの問題に敏感ですので、冷やす場合は追熟が完了した後、食べる直前に冷やすことをおすすめします。
(追熟しない)非追熟型の果物について
非クライマクテリック型果物について
(追熟しない)非追熟果物の利点
農家によっては、収穫を遅らせて果物の甘みを最大限に引き出す方法を取ることがありますが、逆に果実の過熟を避けるため定時に収穫して流通させることもあります。
非追熟果物の利点としては、収穫後に品質が変わりにくい点が挙げられます。これにより、産地から店頭までの流通や輸送中に品質を保つことが比較的容易です。例えば、シャインマスカットのような品種改良されたブドウは、輸送中の品質劣化や房からの粒落ちが少ないため、非常に取り扱いやすいです。
また、多くの非追熟果物は低温障害の心配が少ないため、家庭での冷蔵や冷凍保存が可能で、購入後も長期間楽しむことができます。
果物が追熟する理由とその進化の背景
植物が果実をつける主な目的は、種を広げるためです。動物が果実を食べることで、消化されずに残った種が排泄され、新たな場所で成長を始めます。これは植物の繁殖戦略の一環です。
植物は、動物に魅力的に映るように甘い味や鮮やかな色、心地よい香りを持つ果実を進化させました。
果物を摂取する動物は大きく分けて二つのタイプがいます。一つは地上を歩く動物で、もう一つは空中を移動する動物です。例えば、木の上を移動するサルや、空を飛ぶ鳥やコウモリなどがいます。
このように、果物はその進化を通じて様々な生物との共生関係を築き、自身の生息地を広げてきたと考えられています。
適切な追熟方法と追熟を加速するテクニック
ここでは、フルーツの追熟を正しく行う方法と、そのプロセスを加速する方法について説明します。