かぼちゃを育てていると、気温の上昇とともにつるが一気に伸び始めます。
「親づるは切ったほうがよい?」
「子づるは何本残せばいい?」
「孫づるまで全部伸ばして大丈夫?」
このように、つるの管理で迷う人も多いのではないでしょうか。
かぼちゃは生育旺盛な野菜なので、何もせずに育てると、つるや葉が複雑に絡み合うことがあります。
適度に摘芯・整枝・誘引を行うことで、人工授粉や果実の確認がしやすくなり、限られた家庭菜園のスペースも有効に使いやすくなります。
ただし、かぼちゃの仕立て方は品種や栽培方法によって異なります。
親づるをそのまま伸ばす方法もあれば、親づるを摘芯して子づるを伸ばす方法もあります。
この記事では、家庭菜園初心者に向けて、
- 親づる・子づる・孫づるの違い
- 摘芯するタイミング
- 子づるの残し方
- 孫づるの整理方法
- つるの誘引方法
- 親づる仕立てと子づる仕立ての違い
を分かりやすく解説します。
ポイント
かぼちゃの摘芯や整枝は、「たくさん切ること」が目的ではありません。
どのつるを残して育てるのかを決め、管理しやすい状態に整えることが大切です。
かぼちゃの親づる・子づる・孫づるの違い
かぼちゃの摘芯や整枝を始める前に、まずは親づる・子づる・孫づるの違いを理解しておきましょう。
どのつるがどこから伸びているのか分かるようになると、切るつると残すつるを判断しやすくなります。
親づる・子づる・孫づるは伸び始める場所で見分ける
かぼちゃの苗の中心から最初に伸びていく太いつるが親づるです。
主茎とも呼ばれ、苗の成長とともに先端へ向かって長く伸びていきます。
親づるについている葉の付け根から新しく発生するつるが子づるです。
さらに、子づるの葉の付け根から伸びるつるを孫づると呼びます。
つまり、
親づる → 子づる → 孫づる
という順番で枝分かれしていきます。
| つるの種類 | 発生する場所 | 基本的な考え方 |
|---|---|---|
| 親づる | 株の中心から最初に伸びる | そのまま伸ばす場合と摘芯する場合がある |
| 子づる | 親づるの葉の付け根 | 仕立て方に応じて2~3本程度残す |
| 孫づる | 子づるの葉の付け根 | 着果前は整理する方法が一般的 |
| 側枝 | 葉の付け根から発生する枝 | 株の混み具合を見ながら整理する |
かぼちゃは気温が上がると生育が非常に旺盛になります。
そのまま放置すると親づる・子づる・孫づるが入り乱れ、どのつるがどこから伸びているのか分かりにくくなります。
そのため、まだつるが短いうちから株元を確認し、残したいつるを決めておくことが重要です。
つるを見分けるときは株元からたどる
つるを見分けるときは、先端だけを見るのではなく、株元から順番にたどるのがコツです。
「このつるはどこから枝分かれしているのか」を確認すれば、親づると子づるを判断しやすくなります。
つるが長くなる前に、一度どのつるを残すのか確認しておきましょう。
かぼちゃの摘芯は本葉4~5枚ごろが目安
摘芯とは、伸びているつるの先端にある成長点を取り除き、それ以上親づるが伸びないようにする作業です。
かぼちゃでは、親づるを摘芯することで子づるの発生を促し、複数のつるに分けて育てる方法があります。
親づるを摘芯するなら本葉4~5枚程度が目安
家庭菜園で子づるを利用して育てる場合は、親づるの本葉が4~5枚程度になったころに先端を摘芯する方法があります。
摘芯すると親づるの成長点がなくなり、葉の付け根から子づるが伸びやすくなります。
摘芯するときは、株元から本葉の枚数を数えます。
残したい葉を確認したうえで、その先にある成長点を清潔なハサミや指で取り除きましょう。
摘芯の基本手順
- 株元から本葉を数える
- 本葉4~5枚程度を残す
- その先にある成長点を摘み取る
- その後に伸びる子づるを確認する
- 勢いのよい子づるを選んで残す
つるが大きく伸びてから切るよりも、若いうちに摘芯したほうが作業しやすく、残す子づるも判断しやすくなります。
すべてのかぼちゃで摘芯が必要なわけではない
注意したいのは、かぼちゃだから必ず親づるを摘芯するわけではないということです。
かぼちゃには、
- 親づる1本仕立て
- 子づる2本仕立て
- 子づる3本仕立て
- 親づると子づるを併用する仕立て
- 放任栽培
など、さまざまな育て方があります。
特に、西洋かぼちゃ、日本かぼちゃ、ミニかぼちゃなどでは性質が異なります。
種袋や苗ラベルに仕立て方が記載されている場合は、その品種に合った方法を優先してください。
かぼちゃの整枝は元気な子づるを2~3本残す
親づるを摘芯すると、その後は複数の子づるが伸びてきます。
すべての子づるを残してしまうと、葉やつるが混み合いやすくなるため、元気なつるを選んで残す整枝を行います。
勢いのよい子づるを選んで残す
家庭菜園では、親づるを摘芯したあとに伸びてくる子づるのうち、勢いのよいものを2~3本程度残す方法が管理しやすいでしょう。
残す子づるを選ぶときは、長さだけではなく、次のポイントを確認します。
- つるが太くしっかりしている
- 葉が元気で傷みが少ない
- ほかのつると重ならない方向へ伸びている
- 極端に弱々しくない
一方で、
- 細く弱い子づる
- 同じ方向へ重なって伸びているつる
- 管理しにくい方向へ伸びているつる
- 株元近くから出た弱い側枝
などは、必要に応じて整理します。
一度に切らず少しずつ整理する
つるがある程度伸びてから一度に整理しようとすると、どのつるを残すのか分かりにくくなります。
数日に一度程度、株元からつるの先端まで確認し、不要なつるは若いうちに少しずつ整理すると管理しやすくなります。
また、ハサミを使う場合は清潔なものを使用しましょう。
病気が疑われる株を切ったハサミを、そのまま別の株へ使うのは避けます。
孫づるは着果するまで早めに整理する
かぼちゃの子づるが成長すると、さらに葉の付け根から孫づるが発生します。
孫づるをどこまで切るのかは迷いやすいポイントですが、着果前と着果後で管理方法を分けると判断しやすくなります。
着果節までの孫づるは早めに整理する
着果するまでの孫づるは、必要に応じて早めに取り除きます。
孫づるをすべて放置すると、葉の枚数が増えて株全体が密集しやすくなるからです。
特に地這い栽培では、
- 親づる
- 子づる
- 孫づる
が重なると、雌花や果実が葉の下に隠れてしまいます。
その結果、人工授粉したい雌花を探しにくくなったり、病害虫の発見が遅れたりすることがあります。
着果後は切りすぎない
一方で、果実がついた後まで孫づるをすべて取り除く必要はありません。
葉は光合成を行い、株や果実の生育を支えています。
そのため、着果後は必要以上に葉やつるを切らず、
「混み合っている場所だけ整理する」
程度にしておくとよいでしょう。
覚え方
着果前はすっきり、着果後は切りすぎない
この考え方を基本にすると、孫づるを管理しやすくなります。
整理する場合は、
- 葉が何枚も重なっている場所
- 通路へ大きくはみ出したつる
- 隣の株へ絡みついているつる
- 枯れたり傷んだりしている部分
などを中心に調整しましょう。
かぼちゃのつるは伸ばす方向を決めて誘引する
かぼちゃ栽培では、摘芯や整枝だけでなく、つるをどの方向へ伸ばすのかも重要です。
つるが自由に伸びるままにしていると、通路や隣の畝まで広がってしまいます。
まだつるが短く柔らかいうちに、伸ばす方向を決めておきましょう。
子づる同士が重ならないよう扇状に広げる
子づるを2~3本残した場合は、それぞれを同じ方向に重ねるのではなく、少しずつ間隔を空けて広げると管理しやすくなります。
地這い栽培では、株元を中心にして、扇を開くようなイメージでつるを配置するとよいでしょう。
つる同士が重ならないことで、
- 葉に日光が当たりやすい
- 雌花を探しやすい
- 人工授粉しやすい
- 果実を確認しやすい
- 病害虫を発見しやすい
といったメリットがあります。
若いつるを少しずつ動かす
かぼちゃのつるには巻きひげがあり、周囲のものにつかまりながら成長します。
一度方向が定まると修正しにくくなるため、まだ若く柔らかいうちに向きを調整しましょう。
ただし、無理に曲げるとつるが折れることがあります。
一度に大きく動かさず、少しずつ目的の方向へ誘導してください。
地這い栽培では敷きわらを活用する
地面につるを這わせる場合は、敷きわらを利用する方法があります。
つるを伸ばしたい方向へわらを敷いておくと、つるの配置を整えやすくなります。
また、敷きわらには、
- つるが土に直接触れにくい
- 果実が土に接触しにくい
- 泥はねを抑えやすい
- 雨の後でも果実を確認しやすい
といったメリットもあります。
マルチを使用している場合も、つるがマルチの外へ出る部分に敷きわらを使うと管理しやすくなります。
狭い家庭菜園では立体栽培も選択肢
家庭菜園のスペースが狭い場合は、支柱やネットを使って立体的に仕立てる方法もあります。
地面を広く使わずに済むため、ミニかぼちゃなどでは取り入れやすい方法です。
ただし、大きな実ができる品種では注意が必要です。
果実が大きくなると、支柱やネットに大きな負荷がかかります。
立体栽培する場合は、
- 太く丈夫な支柱を使用する
- 支柱を深く固定する
- ネットをしっかり張る
- 必要に応じて果実をネットなどで支える
など、十分な強度を確保しましょう。
親づる1本仕立てと子づる仕立てはどちらがよい?
かぼちゃ栽培では、親づるをそのまま伸ばす方法と、親づるを摘芯して子づるを伸ばす方法があります。
どちらか一方が必ず正解というわけではありません。
品種・栽培スペース・管理のしやすさに合わせて選ぶことが大切です。
親づる1本仕立て
親づるを摘芯せず、そのまま伸ばす方法です。
主につる1本を管理するため、どのつるを育てているのか把握しやすいのが特徴です。
つるの管理に慣れていない初心者でも、比較的整理しやすい仕立て方です。
子づる2本・3本仕立て
親づるを摘芯し、その後に出てきた子づるを2~3本選んで伸ばす方法です。
複数の子づるを利用できるため、スペースが確保できる家庭菜園では取り入れやすいでしょう。
| 仕立て方 | 特徴 | 向いているケース |
| 親づる1本仕立て | つるが少なく管理しやすい | つるをシンプルに管理したい |
| 子づる2本仕立て | 2本の子づるを利用する | 家庭菜園で管理しやすい |
| 子づる3本仕立て | 複数のつるを利用できる | 比較的広い場所がある |
| 放任栽培 | 摘芯や整枝の作業が少ない | 放任向きの品種を育てる場合 |
西洋かぼちゃと日本かぼちゃでは仕立て方が異なることがある
西洋かぼちゃは親づるにも実がつきやすいため、親づるを利用した仕立て方が行われることがあります。
一方、日本かぼちゃでは親づるを摘芯し、子づるを複数伸ばして育てる方法もあります。
品種によって適した仕立て方が異なるため、摘芯する前に育てている品種名を確認することが重要です。
初めて育てる品種なら、種袋や苗ラベルに記載されている栽培方法を優先しましょう。
かぼちゃの摘芯・整枝で失敗しないポイント
かぼちゃの摘芯や整枝では、「たくさん切ればよい」と考えないことが大切です。
目的は葉やつるを減らすことではなく、残したつるを管理しやすい状態に整えることです。
切りすぎず必要な葉を残す
かぼちゃは葉で光合成を行います。
そのため、健康な葉まで大量に取り除くと、株の生育に影響する可能性があります。
まずは、
- 親づる・子づる・孫づるを見分ける
- どのつるを主体に育てるか決める
- 不要なつるだけを整理する
- 残したつるを誘引する
という順番で管理しましょう。
摘芯・整枝の管理目安
| 確認項目 | 管理の目安 |
| 親づる | 摘芯する仕立てなら本葉4~5枚程度を目安にする |
| 子づる | 勢いのよい2~3本程度を残す方法がある |
| 孫づる | 着果前は必要に応じて整理する |
| 着果後 | 混雑していなければ必要以上に切らない |
| つるの方向 | 重ならないように誘引する |
| 葉 | 健康な葉をむやみに取り除かない |
| 品種 | 種袋や苗ラベルの栽培方法を確認する |
晴れた日に作業する
整枝や摘芯は、できれば晴れている日の午前中などに行うと作業しやすいでしょう。
切り口が乾きやすいためです。
雨の日や葉が濡れているときは、無理に作業せず、天候が落ち着いてから行う方法もあります。
ハサミは清潔なものを使う
ハサミを使う場合は、汚れたままのものを使用しないようにしましょう。
特に、病気が疑われる株を切った後は注意が必要です。
複数の株を管理するときは、刃を清潔に保ちながら作業してください。
かぼちゃの摘芯・整枝でよくある失敗
つるが伸びすぎてから一気に切る
つるが長く伸びてからまとめて整枝すると、親づる・子づる・孫づるの区別がつきにくくなります。
結果として、残したかったつるまで切ってしまうことがあります。
若いつるのうちから少しずつ整理するのがおすすめです。
孫づるをすべて切ってしまう
着果後まで孫づるを徹底的に取り除くと、葉の枚数まで減りすぎる場合があります。
果実がついた後は、混み合っていなければ無理に切る必要はありません。
品種を確認せず摘芯する
「かぼちゃは本葉4~5枚で必ず摘芯する」と決めつけるのは避けましょう。
品種によっては親づるを残して育てる方法もあります。
種袋・苗ラベル・品種ごとの栽培説明を確認してから仕立て方を決めることが大切です。
かぼちゃの摘芯・整枝に関するよくある質問
かぼちゃの親づるは必ず摘芯しますか?
必ず摘芯するわけではありません。
親づるをそのまま伸ばす仕立て方もあれば、親づるを摘芯して子づるを2~3本伸ばす仕立て方もあります。
育てている品種の特性を確認して決めましょう。
子づるは何本残せばよいですか?
家庭菜園では、勢いのよい子づるを2~3本程度残す方法があります。
ただし、品種やスペースによって適した本数は異なります。
孫づるは全部取りますか?
すべて取る必要はありません。
着果するまでは必要に応じて整理し、着果後は混み合っている部分を中心に整える方法が分かりやすいでしょう。
かぼちゃのつるはどの方向に伸ばせばよいですか?
子づる同士が重ならないように、株元から扇状に広げると管理しやすくなります。
通路や隣の畝へ入り込まない方向へ誘引しましょう。
つるを間違えて切ってしまったらどうしますか?
残っている元気なつるを確認し、そのつるを主体に育てます。
新しい側枝が伸びてくることもあるため、慌ててさらに切らず、株の様子を確認しましょう。
まとめ|かぼちゃは残すつるを決めて早めに管理しよう
かぼちゃは気温が上がると親づる・子づる・孫づるが勢いよく伸びます。
放置するとつるが複雑に絡み合い、人工授粉や果実の確認が難しくなるため、摘芯・整枝・誘引を組み合わせて管理することが大切です。
子づる仕立てにする場合は、本葉4~5枚程度で親づるを摘芯し、勢いのよい子づるを2~3本程度残す方法があります。
孫づるは着果前を中心に整理し、果実がついた後は切りすぎないようにしましょう。
また、つるは同じ方向へ重ねず、扇状に広げるように誘引すると管理しやすくなります。
ただし、かぼちゃの仕立て方は品種によって異なります。
「どのつるを残すのか」を最初に決め、種袋や苗ラベルに記載された栽培方法を優先することが、摘芯・整枝で失敗しにくくするポイントです。
